腹が痛い。
今晩は休みだった。このあと発注だけはしに行かなければならないが、休みは休みだった。
なのに腹が痛い。やはり仕事とは無関係のようだ。
そろそろ一ヶ月だ。不安になる頃合いだろうか。
不安がないわけではない。暑くなるとあの腹痛がおこりやすくなる。あれが出たらヤバい。
あの腹痛。
原因不明の謎のハライタ。ストレス如きでおこる腹痛とは比較にならないくらいの痛さ。
程度にも差がある。立ったままやり過ごせるものから意識失いそうになるものまで。
痛いだけならまだいい。貧血までおこるのが困る。
多いときは一日数回。少ないときは数ヶ月忘れていられる。
記憶している最古のものは小学校低学年。
めんどくさい。頭痛もちの気持ちが少しわかった気がする。
トラウマについて。
俺にはそんなもんない。
こころの傷は多いと自覚している。人より多いだろうということもかわってはいる。
が、そんなに深い傷はない。目の前が真っ暗になることも冷や汗が出ることも体が震えるようなことも一切ない。
いわゆるフラッシュバックとやらで強制的に思い出されても、外見的な変化は見出せないであろう自信すらある。俺より俺のことをわかっていそうなMK2といえども気づかないだろう。
無理に抑えているのではない。外に出るほどではないからだ。
その程度の過去がトラウマ?
俺のこころの傷は他人につけられたものではない。
前にも書いたが、こころは他人が傷つけられるようなものではない。自分の弱さによって自分で傷つけるもの。強ければ傷つかない。
だが俺にはその強さはなかった。どれだけ望んでも手に入らなかった。ならば自衛するしかない。
その自衛すら上手くいかずに、他人の言葉によって傷ついてきた。ガードが甘かったから。
つまり自分が悪い。
たびたび思い出されるのは自分の弱さと甘さによって傷ついた過去。
思い出すたび自分で自分が嫌になる。
ただの自己嫌悪だよ。トラウマなんかじゃない。
ああ。トラウマ。一つだけあった。
6歳のとき、右手首を骨折した。そうとう混乱したらしく、状況はかろうじて覚えているものの細かいところは思い出せない。
エスカレーターで遊んでいた。ベルトをぺたぺたと触って。
まさにやってはいけないこと。当時の自分にもそれはわかっていた。
いきなり腕がエスカレーターに引き込まれた。どうやってどこまで挟まれ、痛かったかどうかの記憶は一切ない。慌てて引き抜いたことだけは覚えている。右肩から下が自分の意志で動かすことができなかったことも。今思うと腕ついててよかった。しばらく経って人に言われるまで考えもしなかった。
以降、エスカレーターが怖い。ベルトに触れるのが怖い。今なお右手で触ることができない。
そんだけ。
以前この話をMK2の妹さんにしたことがある。怪我の部分だけ。
施設の管理者に連絡はしたか、と聞かれた。もちろんしてない。
なぜしなかった、治療費出してもらえただろうにと激しく問い詰められて困った。
今思うと連絡しなくてよかった。騒ぎにでもなったら一生ものの恥だよ。
シャワー浴びて発注してこよう。
今晩は新商品展開。目玉はないからちゃちゃっと終わらせて早く帰ってきたい。
毎週そう思うが、実際早く帰れたことはまだない。基本だー。
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