今日は、俺のシガレットケースを探しに、家から最寄の車で30分の無印良品に行ってきました。最寄です。
無印には缶がたくさんあった印象だったんですが、俺らが行った無印には品揃えそのものがありませんで、ものすごくがっかりしました。てゆうかシガレットケースにちょうどいい缶ってないものなんでしょうか。いわゆる「フリー缶」というのがそれに当たるっぽいんですけど、あれはポケットとかに入れるとちょっとかさばるのです。いま期間限定で発売しているクールライトのフルメタル缶ってのがすごくいいサイズと質感なんですが、例によって「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」というクソ余計なお世話の告知が入っていてすべてが台無しなのです。喫煙者なめんな。肺がん怖くてタバコ吸えるか! でも実際肺がんになったら後悔する。人間そんなもんです。でも意地でも後悔しない。どっちだ。
それで無印ではなんにも収穫がありませんで、それからホームズというホームセンターに行きました。ここは俺らの溜まり場です。溜まってなにするかというと、ペットのコーナーでうさぎを見ます。このあいだホームズに行ったら、小動物コーナーのまんなかに、それまで存在していなかった木枠みたいなのができてて、床に人工芝っぽいなにかが敷かれていました。プレートがかかっていたので読んでみると「うちの看板ペット、ぴょん吉です」などと書かれています。木枠のなかにはちょっと大きくなりすぎたピーターラビットがおりました。しかしぴょん吉はあんまりです。せめて。もう少しだけでいいから。名前を考えた形跡を感じさせてください。
そして今日行ったら、木枠のなかに新たなうさぎが仲間入りしていました。ロップイヤーで、名前は「ろっ太」です。
……なあおまえ、それでいいのかよ。それ人間だったら、たとえば日本人だったら「モンゴロイ太」とかつけてるのと一緒だぞ。おまえ「コーカソイ子」とかつけられて嬉しいのかよ。俺は嬉しくないよ。もちろん名前をつけること自体を放棄していた俺よりはだいぶマシな気もします。でも以前の同居人のように「おい非常食」「人間の僕、あわれなうさぎ」とか呼ぶよりはそれでもマシのような気がします。ええ、当然エクセルサーガは好きでしたよ。
で、ぴょん吉とろっ太という、なにかうさぎとしての大事な権利を奪われたようなものどもをじっくりと視姦したあと、シガレットケースを探したのですが、やっぱりなかったです。シット嫌煙! この世界が灰皿であふれかえればいいのに! もちろんこんなことを言っている人は、それが実現してしまうと今度は文句を言い始めるわけです。喫煙者の自覚を!とか言って。最悪です。まあ実際のところ、喫煙者がみんな路上喫煙と吸殻捨てるのやめればずいぶんと風当たりはやわらかくなると思うんだけど……。
で、結局なんにも得るところがなくすごすごと帰りました。あ、ミスドでドーナツ買いました。山下達郎が粘っこい声で「君とだけドーナツ」と歌っていました。まるでドーナツが卑猥なものに思われてくるから不思議です。ひょっとしてそんな不思議想像力を持ってるのは俺だけでしょうか。だって「君とだけドーナツ 食べたいなドーナツ」ですよ。大塚愛の「さくらんぼ」といい勝負ですよ。すごい中2っぽい想像力でごめんなさい。
まゆみさんはポンデリングとハムチーズパイとチョコレートのなんかとかを買いました。俺はオールドファッションとハムチーズパイを買いました。また全品100円やってます。ミスドだいじょぶですか。
帰りの車のなかでエロゲについて議論しました。まゆみさんはもともと一般人なのに、俺なんかと結婚してしまったせいで、日常生活のなかで「エロゲ」という単語が登場する回数が多すぎます。
いや、なんでこんな話題になったかというと、このあいだの「萌えとか」(もうちょっとタイトルどうにかならなかったのか)というテキストをなんで書くに至ったか、ということを解説してたのです。もともと文章でもなに言ってるんだかよくわからない俺なので、会話となるともうぼろぼろです。
「だからね、二次元の純愛ってのがあってさ。ほらこのあいだなんか言ったじゃん、脳内恋愛とか。それの……ああ、本田透って人。それでね、二次元が好きなの受け入れてっていうか、認めてっていうか」
まゆみさんが要求される狂的な想像力を想像するとちょっと申し訳ない気分になります。で、まゆみさんは俺から体系的な説明を引き出すことは諦めたのか、別の話を始めました。
「女の人でもやっぱエロゲとかやる人ってけっこういるんだけどさ、いちばんワケわかんないのは女の反応のほうらしいよ」
「あれ。俺、いちばんわかんないのって、魅力のない男がハーレム作ることのほうかと思ってた。ナツさんもそんなこと書いてたし」
「私が読んだ限りでは、女のリアクションのほうらしい」
で、具体的にどんなあたりがわからないのか聞くのを忘れたので、いまから聞いてきます。
「いや、だってさ、あれおかしいんじゃん。だって、男の意思が絶対じゃん。男の意思が通るものとしてできてるじゃん。それないって。そんなのおかしい。あとさ、幼なじみ」
「またかよ!」
始まりました。
まゆみさんは、エロゲの話を始めると、必ず幼なじみがおかしいと言い出すのです。
「おかしいだろあれ。なんで迎えに行くんだよ。高校生だろ? ありえねえよ。迎えに行ってごはん食べさせて、わたしがついてなきゃだめなんだから、じゃん。ふつうそういうことするのって、男のことをペットのように思ってるか、恋人か、恋人になりたいって思ってるか、とにかくそういうことじゃん。だったらもうフラグ立ってるじゃん。フラグ立てる必要ないじゃん」
「えーと、だからそれはですね、子供のころからの習慣の継続で。つかそういうところから来るか」
「高校生にもなって?」
「あ、あははははは」
「だいたいさ! 男パンツで寝てんじゃん! あれはあれでまずいって。パンツだよ?」
「しかしまゆみさん、それがエロゲというものであり」
「あとさ、そもそもフラグ立つのがおかしいよね」
まゆみさんは俺の話を最後まで聞く気がまったくないようです。
「だってさ、考えてみ? あんたが店で攻略開始するじゃん。不倫しようかなーとか思って。パートのおばちゃんとかさ」
「死んでもねえ」
「じゃいいよ。なんか女子高生とか食いたいなーとか思っちゃったとするじゃん。攻略するじゃん。フラグ立つんだよ? よりどりみどりだよ? あんた36だよ? 額かなり後退してるんだよ?」
「くそやかましいです。つーか、だからそれがエロゲだと」
「いや、男の妄想に都合よくできてるのはあたりまえなんだけど。でも女はそうやって見ないじゃん。男って妄想まっしぐらだからそれでもいいだろうけど。たとえばさ、女がやったら、こういう状況があって、それがこうなって、二人は結ばれました。そのへんがおいしいところだって思うわけじゃん。えーと、萌え?」
「もう合ってるんだか合ってないんだかぜんぜんわかんねえ」
「そういうもんじゃん。だからリアリティなきゃだめなんだよ。エロゲそういうのないじゃん。でもエロゲって男の妄想のためにできてるんだからしょうがないよね」
ものすごい速度で勝手にまとめないでください。だいたい反応とかリアクションとかそんな話とぜんぜん関係ないです。
まあそれでもまゆみさんがエロゲをやるのは、結局ノベルタイプのゲームだと、エロゲに比較的読ませるものが多いってことなんでしょうが。
「だいたいさ、あれだけ冷たくされて、それでもなんでやさしくしなきゃいけねーんだよ。幼なじみねえよ」
まだ続いてました。
あとは車のなかで、俺の額の後退具合について語り合いました。
「50歳とかになったらこうだね。帽子外さないで! ハゲ見せないで。帽子外すなら近寄らないで!」
「しかしそこに一陣の風が。ひゅーーー、すっぽーん(帽子が飛んだ音。どんだけフィットしてんだ)」
「いやぁぁぁぁぁ。ハゲ! ハゲ! ついに出た!」
「すみませんまゆみさん。俺は脂性であるがゆえにこう、ものすごく光る灯台となって、闇夜のなかまゆみさんを照らす一条の光となり」
「あんた、そういうこと言ってて幸せ?」
「そう、僕はトナカイさん。赤い鼻のかわりにはげた頭。その光は数キロ先の」
「うるさい」
「そして実家に行って妹にこう言われるわけです。ああ、ついにそのときが来たんだ。うちの親族にハゲいないから。縁切るわ。二度と顔見せないで」
「ああ、私も言うね。離婚だろ」
「すみません。……ハゲ悪いかよ! 悪くねえよ! 新世紀ハケ伝説ネオMK2(薄い)の始まりだよ全員集合こんちくしょう!」
「その前になんか努力しろよ……」
そんな感じの日でした。
つーか、幼なじみより義理の妹の存在のほうがはるかに不条理だって。しかし、幼なじみの存在でいちばん問題なのが「フラグすでに立ってるからフラグ立てる意味なし」ってのは、いかにもまゆみさんらしい……。つまりその場合、まゆみさんにとってシナリオそのものの意味がなくなってしまう、ということなのですな。そういや、えちしーんの声とかもワケわからん、というのが女の人の一般的な感覚らしいんですが、それこそエロゲだし。いっそのことみさくらなんこつ買って読ませるプレイでも実行してみますか。
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