まだシガレットケースを探しています。俺の妹が雑貨屋とか回るの好きなので、電話かけて聞いてみました。ちなみに妹は、わりと殺伐としたキャラの持ち主です。
朝に電話したので、遠慮がちに聞いてみました。
「いま忙しい?」
「いや」
「あのさー、シガレットケース探してるんだけどさ。かっこいいの。ない?」
「ハンズ」
いつも思うんですが、妹は電話での応対において、言葉が短すぎます。
「やっぱそう来るかー。なんか缶のかっこいいやつないかな」
「あんた、探すだけ無駄」
いきなり断言。
「なんでよ」
「前に探したから」
「ハンズかー、遠いんだよなあ……」
「ほかはない」
妹がどれだけ探したのかは知りませんが、この世界にかっこいい缶のシガレットケースは絶対に存在しないと証明されたような断言っぷりです。
「諦めろ。ハンズ以外では無理だ」
「ロフトとかは?」
「ない」
「あ、そ。んじゃね」
電話切れました。
それから考えてみた。あのいきなり上から断言する口調はどこかで聞いたことがある。というか、あのしゃべりかたにぴったりのセリフがあるんじゃないか……。
ああ、あれだ。
地獄行く。
ぴったりです。
そういえば、なんか霊能者に向いてるような雰囲気があります。
霊能者というのは「見てきたように話す」のでは、たぶんまだ不足なんだと思います。「この世界はそのようにできているのだ。疑う余地などかけらもない」というあの断言口調が重要なんだと思いました。
そういえば、俺とまゆみさんが新居を決めてしばらくして、妹が遊びに来たのです。うさぎを見に来たらしいんですが、家に入るなり最初にやったことは、すべての部屋を順番に見て回ることでした。そして言いました。
「うん。いないわ。安心しな」
確認してくれたらしいです。そういう霊的ななにかが存在しないかどうか。
もっとも、俺もまゆみさんも、いままで生きてきて、心霊現象というのものには一度も遭遇したことがない人たちです。というか、もし幽霊出た聞いた日には、喜んで特攻して確認しにいくものと思われます。ものすごい物見高いんです。
まゆみさんはどっちかっていうと静かに動くし、あんまり気配というものを感じさせずに行動する人なんですが、俺がいかんです。遠くからでも「MK2が来た」とはっきりわかるくらい騒々しいのです。俺があらゆる動物から徹底的に嫌われるのは、たぶんこの気配のやかましさのせいだと思います。足音がでかい、アクションがバカみたいに大きい、鼻はすする、くしゃみはする、物にぶつかる、転ぶ、声がでかい。しかもひとりごとが多い。
たぶん俺が心霊現象に出会えるのは、死んだあとだと思います。さすがに死んだらなんか見れんだろー。幽霊とか。鏡に映ってない自分を見て「うわ幽霊マジ鏡に映んねーすげー俺すげー」とかゆってるのがオチだと思われますが。
今日はまゆみさんがらみのエピソードがあんまりないです。なにしろ、一緒に過ごした時間が正味30分もないです。しいていえば、トイレに入ってたらだれかがドアに体当たりしてきてびびったらしい、ということくらいでしょうか。あと、いまくらいの暖かくもなく寒くもない、という微妙な気候のときは、体温調節が下手なまゆみさんにとってはあまりよくない季節らしいです。あと買ってきたエロゲはいつ始めるのだろう。
いちおー完成したカノンのSSをまゆみさんに読んでもらっているのですが、1ページ目の段階で「これ、あんたの日記?」と言われました。そしてそのまま放置されてるらしいです。厳しいです。
仕事があるので寝なければならないのですが、まだぜんぜんテキスト書き足りないので寝たくない。でも寝るしかない。
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