スクランもなんか佳境に入ってきたなあとぜんぜん関係ない感慨から入ってみるMK2です。
まゆみさんのパソコンのスピーカーはUSB接続です。で、どういうパソコンの機嫌か知らないのですが、このUSBがものすごく調子が悪い。仮にパソコンを擬人化したとして、どうもUSBの端子は角質化したかかととかそういうのに当たってるんじゃないかと思います。アフリカの大地を踏みしめて育った女の子とかそんな感じだと思います。急に日本に連れてこられてはだしじゃだめだから、と言われて靴はかされてすごい不快なんです。きっと故郷のアフリカが恋しいと思う。
とにかく認識しないんです。たまに認識したかと思うと次のときには認識しない。そもそもフロントの端子は生きてるんですが、背面の端子が死んでしまいました。フロントだけでは数が足りないんで、ハブかましたんですが、ハブを経由するといままで認識していたものが認識しなくなる罠。
今日は、まゆみさんが先に家に帰って、俺があとから家に帰ったんですが、家に入った瞬間、まゆみさんがふてくされていました。
「あんたにもらったハブ使ったら、スピーカーが鳴らなくなった」
まるで俺がハブっぽいニセモノでも押し付けたかのような勢いです。おりしもまゆみさんはクラナドやってる真っ最中。エロゲの音楽はほとんど聞かないし、音声も必要ないという人ではあっても、なんぼなんでも音がまったく鳴らないというのは不快でしょう。とにかく解決しなければならない。まゆみさんは、ふだんほとんどなんの労力もなしに、たいていのことが人並みにできてしまう人なのですが、そのぶん「特に解決しなければ死んでしまうわけではない。さりとて解決しなければ不快」という問題に出くわしたとき、そしてその問題がまゆみさん自身の手に余るときの根気のなさは尋常ではないものがあります。具体的には、パソコンのハードの問題はそれに当たっていたのです。
「もういいよ。音なんか鳴らなくて」
とかまで言い出しました。早速解決しようと思ったのですが、問題がひとつありました。
俺の足がくさいのです。
またですか。そんな理由で、ふてくされている自分の奥さんに対してなんの対応もできないのですか俺は。いやしかしですね、実際問題として、これ解決するのにそこそこ時間はかかりそうだったんです。なにしろ原因を究明してそれを解決、という手続きを踏まなければなりません。そしてパソコンをふだんからいじってる人はご存知のとーり、パソコンのトラブルというのはまずなによりも原因の特定がめんどくさい。だからこそサポセン黙示録みたいなことが発生するんでしょうし。しかし長時間まゆみさんの部屋にいるとなると、足のくささの問題は避けて通れません。なにしろまゆみさんは、そのにおいによって喘息の発作を起こすのです。仮にまゆみさんが部屋から退去したとしても、残り香でアウトです。すみません食事中の人とかいたらまじすいません。でも、でもこれね、俺の足が最終兵器であるのも確かなんですけど、まゆみさんが過敏な体質だってのも当然あるんですよ? いくらなんでも俺が通っただけで「あのおじちゃんあしくさーい」とか子供に指さされるような、そういうレベルではありません。
というわけで、まゆみさんのパソコンの問題を解決すべく、俺はまず風呂に入りました。俺が風呂に入っている様子を描写しても、全人類のすべてが喜びませんので、このへんは省略します。しいて言うなら、俺は左腕から洗います。次は股間です。嘘です。
お風呂から上がったら、足のにおいを抑えるべく、全身をバラのオイルでマッサージです。嘘です。だから俺の風呂の描写などどうでもいいのだ。あ、いま思い出した。歯磨くの忘れてた。
まあそんなわけで、生まれ変わったMK2-NEOの俺は、無事にまゆみさんの部屋に入室できる条件が整いました。どんなだ。
風呂のなかで考えたんですが、USBのほうの問題は、おそらく箱をあけていろいろ見てみないとだめだと思ったのです。そこで、最初から現在の環境を修復するのは諦めて、以前俺が使っていた、ふつうのオーディオ出力から音を拾うアンプ内臓のスピーカーを接続することを考えました。
これで問題はあっさり解決。
肉体を器用に扱うことができない俺が、さんざんまゆみさんの机の周りのものを倒したり踏んだりと、まるで出来損ないの怪獣みたいなふるまいに及ぶというアクシデントはあったものの、無事スピーカーは鳴りました。でもどういうんだろ、あのUSBの調子の悪さは。
で、無事解決したので、店の賞味期限切れの小龍包を4個パック×4つ持ち帰っていたのを食い放題することにしました。まゆみさんは4個、俺は7個食ったところでダウン。そして12時間後のいま、俺はまだ胸焼けに苛まれています。これひどい。ほんっとひどい。
しかし紀文のチルドの小龍包はうまいです。
あとは、
http://homepage2.nifty.com/hokhog/
こんなの見て、正確な北海道アクセントで再現してまゆみさんを笑わせたりしました。というか俺自身唖然としました。俺は11歳まで函館で暮らしていたのですが、アクセントや発音での訛りはあっても、単語が違うというレベルではなかった、と現在までかたく信じ込んでいたのです。しかし、この辞書を見ると、見覚えのある単語、というか使っていた記憶のある単語が山のように出てきました。
具体的には「とてもかゆくて、掻いてしまった」というのを、11歳当時の俺は「なまらかいくてかっちゃいてまった」と言っていたはずです。「小銭が足りない、あと百円ちょうだい」というのを「じぇんこたんね、あどしゃぐえんけれ」と言っていたはずです。
通じるはずねえよ。
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