2日連続更新なんて気が狂ったんですかえむけーつーですこんばんわ。
今日は仕事が休みでしたので、ドライブに行くことにしました。フェリーで対岸に渡って、九十九里浜に行ってみようという計画です。距離的にはそんなに時間かからずに行って帰ってこれるかな、と思ったので。なんで九十九里浜なのかというと、単にフェリーの割引券があったのと、あとは行ったことがなかったからです。
途中、うさぎのぬかづけちゃんにえさをやり忘れたことに気がついたのですが、どうせふだんから牧草を食わない悪いうさぎなので、こういう機会に腹をすかして牧草を食ってもらうことにしました。うさぎは本来牧草を食わないと健康を保てないのですが、ぬかづけちゃんは牧草を食い物だと認識していないようで、床に全部ばらまいて遊んでそれで終わりなのです。片っ端から牧草を引き抜いては床に捨てる姿を見てると、たまにぶっ殺したくなるときがあります。
そんなわけで、ぬかづけちゃんはただ牧草だけ与えられてあとは放置されることになりました。
久里浜のフェリー乗り場には食堂があります。いままでフェリーに乗ったときは、どういうわけか時間ちょうどにフェリー乗り場に着くことがほとんどで、食堂を利用する機会がなかったのです。今日は、幸か不幸か待ち時間がかなりあったし、まゆみさんは腹が減っているというので、食堂で食べてみることになりました。
俺はカレーライスを註文し、まゆみさんはカレーそばを註文しました。
俺はカレーが大好きなのですが、福神漬けが食えません。食堂の、人だけよくてやる気なさそうで日々の生活の苦労がしみついているにもかかわらずつまみ食いが多くてかなりふくよかっぽいとかそんな感じのおばちゃんに、念を押すように「福神漬けはいらない」と言いました。秒速で仕上がってきたカレーには福神漬けが乗っていました。
俺は遠慮がちに「あの、福神漬け……」と申し出ました。おばちゃんは俺に言われてようやく思い出したらしいのですが、その段階では俺ももうどうでもいい気分になって「いや、いいです。うちの奥さんが食べます」と言ってカレーを引き取りました。背後でなんか言い訳してるのが聞こえたのですが、そういうのって聞こえると余計に腹立つから聞かないことにしました。なのにまゆみさんが全部聞いてきました。なんで! 聞く気なかったのに!
「あのおばちゃん、あんたがいなくなってからすごいこと言ってたよ。福神漬けいらないって言われるとかえって意識して乗せちゃうんだよねって。言われるから乗せちゃうんだよね、ってぶつぶつ言ってた」
俺がこの食堂の経営者なら、罰としておばちゃんにメイドさんの服着せて仕事させます。いややめました。だれに対する罰なのかよくわからないから。
ちなみにカレーの味なのですが、昨今絶滅しかけた立ち食いそばっぽい伝統的な安物カレーでした。カレー粉と小麦粉だけで構成されたカレーのなかにどうでもよさげににんじんのかけらが数個入ってて「肉どこ? ねえ肉どこ?」と泣きたくなるようなしょぼい具材。完璧です。でも俺はそういうのも嫌いではないのでふつうに完食です。ちなみにまゆみさんのカレーそばは、かけそばの上にカレーライス用のルーがそのままオン!という野性味あふれるもので、こういうカレーそばも昨今絶滅の危機に瀕しているのではないかと思うのです。保存しよう!なんて気にはまったくなりませんけど。
ちなみにまゆみさんはカレーそばとかカレーうどんとかをものすごく慎重に食べます。皮膚が極度に弱く、飛沫が皮膚についただけで荒れてしまうというもっともな理由はあるんですが、それにしても慎重です。あずまんが大王に出てくるアホの子が言ってた「危険よ!」の法則もまゆみさんには当てはまりません。
フェリーに乗り込んで最初にやることは、甲板に出てタバコ吸うことです。出航の瞬間を見届けるわけです。フェリーにはもう数回乗ってるんですが、船の観光客って、列車や飛行機のそれとくらべて体温が数度高い印象。なんだかバカにはしゃいでる人が多いです。あと写メ率異常に高い。ただでさえそんな状況なのに、今日は犬まで放し飼いになってました。おっさん二人連れがそれぞれ船の手すりにもたれてポーズをつけてる構図で写真を取り合ってるその横で子供が泣いています。かと思えばテーブルにいきなり幕の内弁当広げて食い始める老人二人。そして顔のつぶれた体毛のない、俺からすれば犬よりも豚に近いと思われる生き物が甲板全域を運動場と定めて、たらったらったったーとかそんな勢いで楽しげに散歩です。なんだよこのバカ空間。意味わかんねえ。
しかし船はいいです。やはり視界が広く確保されているというのはそれだけで気分のいいものです。そのうえ今日は春一番が吹いたあとの高気圧。冬型の気圧配置のせいで若干寒気が流れ込んでいるせいか、決して春のように、とはいえなかったかもしれないけれど、それでも日差しは春のもの。船を追いかけるようにして、鳩とスズメしか知らない俺にとっては未知の鳥が水面すれすれを滑空する。犬はあいかわらず絶好調です。犬うぜえよ、飼い主ちゃんとつないどけよ! むしろ飼い主をつなげ! 犬には「4WD」と落書きしてやる!
金谷からは国道127号線、465号線を経由して、とりあえず外房を目指すことにします。
しかしまー、来るたびに思うんですが、房総半島の僻地度というのはかなりのもんです。住んでる人は気を悪くするかもしれませんが、首都圏からそんなに離れていない場所で、これほど時代の変化の波を受けていない場所がそのまま残されているというのもすごい。商店街にしろ農家のたたずまいにしろ、少なくとも昭和をそのまま残しいてるのは確実。あとヘルメットで自転車通学の小学生。あと女子中学生がものすごいクラシックなセーラー服。しかもスカート丈が膝下10センチくらいある。その姿を見た俺は、思わず素直な感想を言いました。
「あの中学生まずいよね。コレクターとかに狩られる」
「あー、あれはまずいね」
まゆみさんはあたりまえのように相槌を打ちました。そのまゆみさんの視界をジャージ姿で自転車の女子中学生が横切ります。おまえ木星とかの高重力惑星で育ったのか、というくらい縦方向に圧縮されて横方向に広がってる感じの、ありていにいってズッギャーンゴゴゴゴゴズッバーンドォンドォンといった感じの体格の女の子です。
「あれは狩られないね」
「そうだね」
ものすごい失礼な会話をしながら、俺らは国道465号線を進みます。
4で始まる3ケタ国道にはありがちなことですが、とにかく道路としての統一性がまるでない。集落のなかをうねるように進むすれ違いのできない道路であったかと思うと、次の瞬間には片側2車線になって、森のなかをまるでリゾート目的で作られたかのように堂々と貫いています。快適だーと思って油断してるといつのまにか林道、悪くするとダートになってたりする。
この国道465号線も、部分的にはだれのために作られてるのかさっぱりわからないような状態。半島特有の錯綜した地形のなかをカーブに次ぐカーブ、アップダウンを繰り返しうねっています。道路の周囲には人家らしいものはまったく見当たらない。
小規模の山や谷が四方八方に好き勝手に乱立していて、その地表を背の低い潅木や冬枯れの木が申し訳程度に覆っている荒涼とした光景は、いつか走った下北半島のそれと本当によく似ていました。
やがて車は、当座の目的地、久留里に到着。
久留里の商店街は町並みマニアにとってはたまらない雰囲気です。まず商店街にBGMがかかってる。これものすごい高評価です。BGMがわけのわからないジャズ風のインストだったり、ましてやサンバっぽいものだったりしたらもう勃起ものです。しかも曲が途中で中断して、30年前からセリフまでがまったく変化していないような商店の広告でもかかったらもう言うことはないです。久留里ではそこまではやってませんでしたが。
古びた舗装の道路の両側に、化粧品店、衣料品店、金物屋など、生活に必要なひととおりの商店が並んでいます。かつて近隣の農村の人々が買出しに来る町だったころの面影を残したまま緩やかに斜陽していった町。住んでる人にとっては迷惑でしょうが、単なる通過者としてはこういう風情はたまりません。
最近じゃ、徒歩客相手の商店街というのは本当に成立しません。特に地方じゃ車での移動がメインですから、その地方でのメインの生活道路の両側に、駐車場が完備した大規模な店が立ち並ぶような、新しいかたちでの商店街が主流になります。規模が大きいとなると、それだけで個人商店ではノウハウが足りず、そこにチェーン店がなだれこんでくる。東京靴流通センター、しまむら、ダイソー、ユニクロ、イエローハット、そしてファミレス数件、ゲオかツタヤ、あるいはそれに類似の業態。コンビニが上下線それぞれに一つずつ。あとは車のディーラーと中古車屋、それにカーコンビニ倶楽部の一つでもあれば、車社会での商店街が成立します。最後にジャスコが外れたところにどかーんと進出してきて、地元の昔からの商店街は完全に死滅するわけです。
久留里はそれでも、町自体が抱えている商圏人口がそこそこあるせいか、まだ斜陽っぷりとしてはましなように見えました。
やがて車は外房へ。
すぐにでも海が見えるかと思ったんですが、なかなか見えてこないです。どうもこのへんでの幹線にあたる128号線が海沿いではないらしい。あと砂浜が多く残っていることが原因か、かなり分厚い防砂林のベルトがあって、海が見えません。
一瞬だけ、本当に一瞬だけ、対岸がまったくないただのだだっ広い海であるところの太平洋が視界に入ったのですが、次の瞬間ルート選択を誤ったらしく、海はまたたく間に消えました。
「いや、いいんだけどね。太平洋を見にきて、あれだけ? 一瞬?」
まゆみさんは原則車に乗ってさえいれば満足な人なので、それほど俺を責めはしませんでしたが、うるさいのはぽりんでした。ぽりんというのは、仮にぬいぐるみのかたちをとっている謎の生命体です。よくしゃべります。
「ぼくの太平洋は? ぼくの太平洋はどこですか?」
なぜ「ぼくの」と言い張るのかはわかりませんが、いちおーぽりんの主張にしたがって海辺を目指しなおすことにしました。長生村、白子町などを経て、海岸とは防砂林で隔てられた道路をしばらく直進。右折すれば海にぶつかるはずです。
おあつらえ向きな道が見つかったので、てきとーに右折。ガードをくぐってさらに直進すると、そこにとつぜん砂だらけの茫漠とした空間がありました。
砂浜かと思ったら、駐車場のようでした。すでに車が数台止まっていました。
そして、砂まみれの駐車場の向こうに砂浜が広がっていました。
砂浜の向こうに海がありました。
ばかげた広さで海が広がっていました。
神奈川で生活している俺にとって、砂浜といえば、コンクリートで固められた134号線の崖下で、いつ波に削られてもおかしくないようなわずかな面積でしがみついているものでした。それと比較すれば、この砂浜はまったくばかげていました。左右を見渡しても終わりがない砂浜の向こうで、海が地球の丸さで盛り上がっています。空は天空から海面に向けて階調をつけて純正の青からややくすんだ色へ。若干混じりはじめたオレンジ色が、もうじきやってくる夕暮れの先触れでした。そして近所でどこかの応援団が練習をしているらしく「おーーーーー」「おーーーーーー」と謎の野太い雄叫びが聞こえてきました。犬といい応援団といいまじ勘弁してください。一瞬だけ「やめろーーーーー」とか聞こえてきた気がするんですが、あれ応援じゃないよね、どう考えても。
ぽりんは車のなかからの見物となりましたが、大興奮でした。
「ぼくの太平洋だ。ご主人さま、ぼくの太平洋です!」
ぽりんはぬいぐるみのかたちをとった何者かなので、表情は変化しません。しかし喜んでいました。日本でも有数のいろんな景色を見たであろう、しゃべるぬいぐるみであるぽりんは、大喜びしました。
俺は思うのです。
俺とまゆみさんは、たぶん、ほかの多くの人たちがあまり経験したことのないようなやりかたで結びついています。特殊であれば人の理解を得ることは難しい。俺とまゆみさんのあいだにはほかの人間が介在していません。そして外部にも基本的にだれもいません。俺とまゆみさんは、それぞれが生きやすくあるように現在ある関係を構築しただけであって、だれかにそれを理解してほしいとは思っていないのです。俺らが生きやすくあるためには、自分たちが築いた空間のなかにだれかが入ってきては困るのです。だから俺とまゆみさんは、ただ二人だけで終わります。俺らが死んだら、あとにはなにも残りません。
まゆみさんの周囲のものたちは、実によくしゃべります。しゃべる以上、それらは存在します。生きています。もし俺が死んでも、あるいはまゆみさんが死んでも、ぽりんは俺らのことを記憶しています。ぽりんはそれを俺ら以外のだれにも伝えることはできません。もし俺らがこの世界からいなくなって、ぽりんだけがだれかの家に引き取られていったとします。そのとき、ぽりんの言葉を聞く人はだれもいません。それでもぽりんはおそらくしゃべっているのです。あんなことがあった、こんなことがあった。あのときぼくは太平洋を見た。新潟で雪を見た。ご主人さまの足はくさい。ピンク色の丸い物体であるおもしろい顔をしたところのぽりんは、無限に、あるいは永遠に記憶していてくれるのです。
目的は果たしたのであとは帰るだけです。
この帰り道がつらかったです。時間も厳しかったし、ほとんど全線高速を使って帰ってきました。なにしろ俺は徹夜明けでそのまま出かけてきたので、眠気はまだないにしても、目が疲れていました。
館山道にはサービスエリアがありました。市川だったかな。そこで俺はカレーライスを食べました。まゆみさんは醤油ラーメンを食べました。あとサービスエリアにロッテリアが併設されていたので、俺はストレートチーズバーガーを、まゆみさんはポテトを買いました。ポテトのタダ券をもらったんですけど、使う場所ないです。うちから最寄のロッテリアっていったいどこだ。
死ぬほどの集中力を発揮して、なんとか金谷に到着。フェリーでは客席には行かないで、車のなかで横になって寝てました。サンバーたんの後部座席はベッド仕様なので、客席なんかよりよっぽどゆっくり休めるのです。
そんで、家に帰ってきました。長かった。今日は長かった。あと11文字で6000文字なので余計な文章くっつけてやれ。文章も長かった。ここまで読んだ方、お疲れさまでした。感謝の気持ちを込めて、抽選で俺の使用済み靴下を差し上げます。ジップロックで完全密封した3年モノ。暗殺に、ジェノサイドに、集団自殺に最適な一品、いかがでしょうか。なお開封の際は戸外でお願いします。また風向きには細心の注意を払ってください。うっかり自分のほうに臭気が来てしまうと、死にます。
す、すみません。ものすごく後味の悪いラストに。
ザーメン
投稿情報: ザーメン | 2010/06/25 15:20
クンニ
投稿情報: クンニ | 2010/06/25 15:20
爆乳
投稿情報: 爆乳 | 2010/06/25 15:20
フェラチオ
投稿情報: フェラチオ | 2010/06/25 15:21
フェラチオ
投稿情報: フェラチオ | 2010/06/25 15:21
フェラチオ
投稿情報: フェラチオ | 2010/06/25 15:21
フェラチオ
投稿情報: フェラチオ | 2010/06/25 15:22
オマンコ
投稿情報: オマンコ | 2010/06/25 15:22
おまんこ
投稿情報: おまんこ | 2010/06/25 15:22
おめこ
投稿情報: おめこ | 2010/06/25 15:23